こんにちは。たきこ(@butaon_takiko)です。
舞台の現場で働く方なら、ぜひ知っておきたい講習があります。
それが、「足場の組立等特別教育」です。
高さ2m以上の場所で作業を行う人は、この教育を受けることが必須になっています。
実際、会社所属で舞台の仕事をしている人は、会社の研修の一環で、特別講習を受けた人も多いと思います。
または、学校のプログラムで受けた人もいるかもしれません。
今回は、足場の組立等特別教育に興味があるけど自分で動くしかないあなたに、私の体験談をシェアします!
足場の組立等特別教育とは?なぜ・どこで受けたか
足場の組立等特別教育は、
「足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務」に従事する人
が受講対象となっています。
足場とは、わく組足場やつり足場など、主に建築業界で使われている用語でしたが、
平成27年3月に労働安全衛生規則が改正してから、移動式足場(ローリングタワー等)、脚立足場などの内部工事で使う足場も対象になりました。
私は、検索したら最初に出てきたという理由で、一般社団法人 労働技能講習協会で受けました。
料金は、座学6時間コースで9,900円(税込)です。
中小企業向けに助成金制度もあるので、会社所属だけど講座を受けるきっかけが無い方は、会社に相談してみるのも手です。
「特別講習」と「技能講習」の違い
「足場 講習」などで調べると、似たような名前の講習が2つ出てきます。
- 足場の組立て等(作業主任者)技能講習
- 足場の組立て等(作業従事者)特別教育→今回私が受講した方です。
一つ目の技能講習の方が、「主任者」向けなので上位の内容です。
指揮を取ったり管理者の業務にあたる場合は、「技能講習」が必要です。
以下に、2つの違いをざっくりまとめてみました。
以下の表では、完全未経験(または未受講)の場合でまとめています。
足場の組立て等(作業従事者)特別教育 | 足場の組立て等(作業主任者)技能講習 | |
---|---|---|
資格 | 2m以上の足場作業 | 5m以上の足場作業時の指揮監督 |
日数 | 1日間(座学6時間) | 2日間(座学13時間) |
料金 | 9,900円(税込) | 13,800円(税込・テキスト代含む) |
講座内容 | 足場及び作業の方法に関する知識 3h 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 0.5h 労働災害の防止に関する知識 1.5h 関係法令 1h 学科試験 | 作業の方法に関する知識 7h 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 3h 作業者に対する教育等に関する知識 1.5h 関係法令 1.5h 修了試験 1h |
受けるべき対象者 | 足場の作業者 | 高さが5m以上の足場の組立て、解体又は変更の作業の指揮・現場監督者 |
この2つの講座は重なる内容もありますが、別物と思ったほうが良いです。
自分がどちらがより必要になるか、イメージは沸きましたか?
私は今回「特別講習」を受けたので、そちらの様子をレポートします!
足場の組立等特別教育の申し込みから受講するまで
私は、一般社団法人 労働技能講習協会にて申し込みました。
ネットから申し込みをすると、受付確認中です、といったメールが送られてきます。
数日すると、受講票が自宅に郵送されます。
中身を見ると、受講票や払込票などが同封されています。
手続きで手間だったのは2つ。
1,払込取扱票
青色の払込取扱票は、ゆうちょ銀行か、ゆうちょのATMか、郵便局でしか受付が出来ません。
しかも!ATMの中には払込取扱票を受け付けてくれない所もあります。
実際、私の近場にあった出張ATMも払込取扱票は使えませんでした。
なので実質、郵便局に行く必要があると思ったほうが良いです。
(ATMさえやっていれば良いので、営業時間はそこまで気にしなくて大丈夫だと思います)
2,証明写真が必要
免許証交付のため、4×3cmの証明写真が1枚必要です。
近場の証明写真スタンド?でさくっと撮影しておきましょう。
それでは次に、実際に参加した様子を伝えます。
実際に足場の組立等特別教育を受講したときの様子
私が受講したのは、浅草の会館でした。
受講者15名のうち、女子はなんと0名。
ですが、座学のみなので受講中に他の人と会話することは全くないので、問題ありません。
テキストは写真のような感じのものを受付で渡されます。
次に受講して役に立ったことをまとめます。
足場の組立等特別教育を舞台目線で受講して良かったこと
内容は主に建築や内装工事の方が対象だったので、聞き慣れない言葉もいくつかありましたが、舞台業界では何に活かされるかな?と考えながら受講することができました。
午前中は足場とはなにか?を知る講座でした。
ここで覚えておくべきは、足場の作業床(さぎょうしょう)の守るべき基本の数値です。
【 幅40cm以上、床材間の隙間は3cm以下、床材と建地の隙間は12cm未満 】
次に、午後の部で内装工事の話になると、とたんに身近なトピックになっていきます。
- 移動式足場(ローリングタワー)
- 脚立
- 可搬式作業台
について、テキストも充実しています。
移動式足場は、高さ5mまでは特別教育の受講で良いのですが、5m以上になると「作業主任者」向けの技能講習が必要になるとのことです。
脚立については、単独使用であれば特別教育も要らないですが、脚立と足場板を組み合わせた足場を組むと、特別教育が必要になります。
単独使用でも、脚立での注意ポイントが一つ。
2mを超えての作業は「高所作業」になり、安全帯(フルハーネス)の使用が必要になります。
また、舞台業界でも馴染みのある、
- ローリングタワー
- アップスター
- 脚立
これらの安全な使い方をまとめた映像を見て、改めて使用方法を知ることができました。
法令からのみ考えれば、
足場がしっかりしていれば(作業床があれば)、安全帯は必ずしも必要ではない。
ということになりますが、完璧に足場が整っている現場なんて数しれません。
高さ2mを超える際は安全帯が必要で、フルハーネス型墜落制止用器具取扱特別教育の受講が必要です。
講座の最後には、20問の○×選択問題で簡単なテストがあります。
免許証はこんな感じです。
他に受講した講座とまとめることも出来るとのことなので、次回フルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)特別教育の受講も1枚にまとめようと思います。
おわりに。足場の組立等特別教育を学んで良かったことと思ったこと
当たり前のことですが、法令を守ることが目的ではなく、安全に作業して「事故を生まない」ことが目的です。
特に舞台の現場では、危険であることがわかっていても、時間の短縮や効率化のために、脚立から身を乗り出したり、ローリングタワー等を人が乗ったまま動かしている現場もあると思います。
まずは法令を遵守することから始め、自分の職場環境の中で、出来るところから安全に向けて一歩ずつ、取り組んでいきたいです。
安全について振り返るとても良い機会になりますので、足場の組立等特別教育をまだ受けていない方は、ぜひ一度行ってみてくださいね。
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